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第11話 泥酔した従軍慰安婦   


 昭和19年ごろに蚌埠の街で見かけた、忘れられない光景がある。
 
 人だかりがしていたので覗きこむと、泥酔した慰安婦を、日本の憲兵が襟がみを掴んで引きずり、慰安所に連れ戻そうとしている所だった。
 朝鮮語で泣き叫ぶ女性は、長襦袢に腰紐一本、履物も脱げて哀れな姿だった。

 当時私は、彼女らが強制連行されたとは知らなかったので、やけ酒を飲む困った人達だとしか思わなかった。

「朝鮮女は口もきかんし、暗い顔をしておって、つまらん」
 と、戦地で慰安所経験を話す兵士もいた。

 早婚の地だから若い母親や新婚の妻も多かった。
「『ちょっと待って』と言って、後ろを向いて乳を搾る女性もいた。乳飲み子を置いてきたのかね。どうしてここへ来たんだろう」
 と話す兵士もいた。

 衛生環境も比較的よかった中国人慰安婦は、安定収入も得ていたようで、街で陽気に振舞う人たちを見たことがあるが、朝鮮からの慰安婦達はどこか陰鬱で、暗い表情をしていた。運命を呪い、拉致されたことを絶対許していなかったのだろう。
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by 1937-1945 | 2007-09-06 22:30 | 第11話 泥酔した従軍慰安婦